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「官能短歌・性愛短歌・エロ短歌」といわれる色事を主題に啾(な)き疼(うず)く濡れ場を詠んだ愛の和歌とその官能短歌による歌物語
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三 裸身
湯浴みの後に襦袢に寝巻き一重に着替へ、髪は解き下ろして後ろに一つに結びたる様にて、「おまたせしました。お風呂が沸いておりました。どうぞお召しください」と風呂に案内し、浴衣にお着替えくださいと立ち去らんとする折、引き留められしも「今日はご遠慮」と断りしが、その折かの一物をそっと撫で「後でね」と言ひしは吾ながら呆れたる振る舞ひとぞ思ふ。 
 愛ほしく思はず触れしそが物に声かけく吾ぞ驚かれぬる(春香)
昭雄浴衣に着替へ離れ座敷に戻りて見れば、床敷かれ春香人待ち顔にて迎ゆ。
髪長くしたまふや、艶なり、とて、ほかにものも言はず抱きやり、口吸い、髪をなづ。舌絡めつつ、合間に、
 黒髪の乱るを知らず時過ぎぬ髪乱るるを誰か梳くらむ(春香)
 今宵こそ乱れに乱る黒髪の乱れしままに君に抱かれめ(春香)
 今宵こそ乱るる君を見むとせば思ひの丈の深きを見せむ(昭雄)
など想ひ合ひつつ、乳繰り、耳弄る。
軽く貝の口に結びたる帯解きて一重を脱がせ、桜色の絹の長襦袢になりたるを、横抱きして裾開き手を入るるに、久しくせぬほどにやさしくと呟く声もはや濡れたる色あり。
 君が手の触るるを待ちてはやぼぼの濡れたるを恥づ顔な見つめそ(春香)
顔見ずにこちらを見ろとやとて、昭雄やにわに裾捲くりあぐれば、艶よき秘所の露はになれるに、灯を消してたもれと、掠れし小さき声いだせり。
はずかしからんことなしと、ほとに口あてその周りを舐めあげるや、春香「ひぇっ」と声あげ、かやうのこと夫婦たりしときなかりしが、尋常とは思えず、それとも夫婦でなかりしがゆえにてのことや、と問ふ。
いかにも、男と女なればなり。夫婦たりしには躊躇せられたりと、舌中へ捻じり入れ、また内より舐めあぐ。
春香の初めて知る感覚に戸惑いつつもその快感のはた言ふべきにもあらずして思はず呻く。「どうすればいいの」
 新たなる君の仕業にぼぼ濡れて震へるほどに如何に応へむ(春香)
 心地好きに身任せてぞゐたりけむ吾が一物を手に取りてかし(昭雄)
とて、春香の手を導きてはや怒張せる物握らしむ。 
腰紐解きて絹の擦れるも肌に心地よき襦袢はだければ、下腹より臍のくぼみさらに乳房に向かひてむつちりとして雪のやうなる裸身現る。春の宵照らす灯りの今はその身をくまなく照すを打眺め、掌にて腰から脇腹乳房とゆるゆると撫で擦れば、春香観念したるか拒まず、くすぐたげに身を捻ずるのみ。肌の艶も撫で心地もその幾分に恥ずかしげの仕草もまこと妖しく昭雄を駆り立て、春香の握りたる一物のますます堅く張りゆく。握らせしまま、乳房の膨らみし辺りより舌這わせ、焦らすが如くに乳首にそと触れまた遠のきと舐めまわすに、乳首立ち、疼き高まり身悶えて春香の握る手に力入る時は感じしならむ。
 焦らされて想ひの深くなりゆけりまだ入らざるがくるしくなりぬ(春香)
 歓びの更に深きをさぐらむに悶ゆる君のいじらしきかな(昭雄)
「ねぇ、もうしてください、くるしいわ」
「何をしてほしいの」
「いじわる」
など戯れていたるは楽しき限りならむ。



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